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なんでもない一日

先日の台風、そしてそのあとの大雨。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。私たちは幸いにも被害を受けずに乗り切ることができました。報道などで農業被害を目にすると、つらい気持ちになります。農業者にとって田畑、作物、農業資材は収入を得るために大切なものです。でも、こちらで就農して実感したことは、「それらはただそれだけのものではない」ということです。多くの農業者にとってそれらはご先祖さまと自分たちが生きて来たこれ迄そのものなんだと感じます。農業者(地域の方という言いかたが正しいかもしれません)は自分の田畑はもちろん、畦・水路・山などの周りの環境に手をかけ、心を砕いて、その土地と生きています。「職場と家(仕事と私生活)」というような境はほとんどありません。大きな農業被害は農業者の生き方を根こそぎ損なう打撃です。再建が容易で無いこともわかります。つらい。でもだからこそ頑張って欲しい、支援が行き届いて欲しいと思います。

 

前回ブログを更新した時は雨が降らずに困っていました。今は雨が降りすぎて困っています。これからはこういう極端な天気が、日常になっていくのかもしれません。農業はお天気次第、なんて言っていられない。栽培時期や管理方法などを工夫して適応していかねばです。

 畑ではミニトマトがまだまだ元気にしています。ネギ、ハクサイなどの冬野菜の収穫も始まりました。作物の管理、農薬散布、草刈りなどの作業は減ってきたものの、ありがたいことにまだソコソコ忙しい日々を過ごしています。それでも本格的に作物と格闘できるのはあと1ヶ月。ラストスパートです。もちろん厳冬期も片付け、環境整備、来作の準備と別のお楽しみがまっています(笑)。こちらでは朝夕に10℃を下回る日もあり、コタツが手放せない季節がやって来ました。コタツでお鍋をつつき、お酒を飲み、読書する、そんな時間がなんと贅沢なものか。なんでもない一日のありがたさを再認識させられた秋になりました。