アスパラガス


特徴

原産地 ヨーロッパ南部からロシア南部

植物分類 キジカクシ科クサスギカズラ属多年草

食用部位 茎

豊富な成分 カルシウム、ビタミンC

生育適温 16〜20℃

好適土壌pH   5.5〜7.5

 




栽培の様子

定植準備→定植→萌芽・収穫

アスパラガスは1度植えたら10年以上収穫できる野菜。根は毎年どんどん大きくなり、水平・垂直方向へ1m程度伸びるという文献も。このため、植える前の土作りがとても大切。バックホーで深耕し、中に堆肥や肥料を入れておきます。その上に畝を作って苗(根)を並べて植えます(写真は種から1年間育てた苗)。1日の平均気温が5℃前後になると、根に蓄えられている養分を使ってニョキニョキと萌芽してきます。植えてから年数が浅い株では細い茎が、年数が経って根が充実すると太い茎がたくさん出るようになります。本格的に収穫できるまで3年間くらい株を養成します。

伸びてきた茎が30cm弱くらいの長さになったら根元から刈取って収穫します。1ヶ月弱くらいは芽がどんどん出てくるので、端から全部収穫します。暖かくなると1日に10cm以上伸びて、びっくりさせられます。

春に一番最初に芽を出して収穫させてくれる野菜。萌芽を待っている間のワクワク感、芽を見つけた時は幸福感と安心感でほっこりします。


立茎(収穫)

萌芽の本数が減ってきたら、根の養分が減ってきた証拠。収穫を一旦やめ、1株あたり3〜4本の茎をそのまま大きくします(立茎(りっけい)作業)。茎はまっすぐガンガン伸びて途中から枝分かれ、糸状の葉状枝(擬葉)をみっしり生やして高さ1.5m程まで成長。アスパラガスには雄株と雌株があり、雌株では小さな小さな花が咲いて実がつきます。実は最終的に赤くなって、クリスマスっぽい雰囲気になります。

擬葉がしっかり大きくなると(立茎開始から1ヶ月後くらい)光合成を行って自力で養分を作り、また萌芽を始めてくれます。私たちはありがたく収穫を再開。そのまま放って大きくしても問題ないのですが、茎がギュウギュウになって、光も風も届きづらくなり、生育にも悪いし、病気にもなりやすいし、虫もつくし、という悪循環になりやすいので、間引きがてら収穫する一石二鳥戦法を採用しています。こんなに採って大丈夫かと不安になるくらい収穫しても、健気に次々と芽を出してくれるので泣けてきます。

 


片付け

9月後半になると寒くなって萌芽が止まり、11月後半くらいには地上部が黄色く枯れていきます。茎葉でつくられた養分は根に移行して来春に芽を出すために貯蔵されます。

冬場は片付けと、来春準備が待ってます。枯れた茎を根元からごっそり刈り取って、畑から運び出します。とにかくかさばるので抱える感じになるのですが、パサパサ擬葉がわぁわぁ落ちて降り注ぎ、まみれにまみれて痒くなるマコトに愉快な作業。株元の茎や落ちた擬葉は病気を来年に持ち越さない為に火炎放射器で燃やし尽くします。

以前は春先にだけ収穫するのが一般的だったのですが、最近は立茎後にも収穫する栽培方法(夏秋どり)が増えています。夏にもスーパーに並ぶ野菜になっているので、ぜひ食べてください!!と、言いつつも春の初物は根に貯まった糖分を一番贅沢に使って萌芽しているので、めちゃめちゃ甘くて美味しいのは事実。食べたい方は遊びに(手伝いに?)来てください(笑)




畑の仲間たち

キノコ

アスパラガスの根元は擬葉が繁って日陰になりがち。アスパラガスの森をかき分けながら収穫していると突然メルヘンの世界に迷い込めます。昨日まではなかったはずなのに。キノコの成長は素早い。今のところ食べられえそうな個体には出会えていません。

 

ジュウシホシクビナガハムシ

体長6mm位の赤い水玉模様の可愛いハムシ。アスパラ畑以外ではとんとお目にかかりません。こよなくアスパラだけを愛し偏食している模様で、酷い時には群れで芽の先を齧っています。齧られると商品価値がなくなってしまうので、見かけたら即時退散してもらっています。



参考文献:農学基礎セミナー 新版 野菜栽培の基礎, 池田英男・川城英夫 他,  一般社団法人 農山漁村文化協会